シュラフとマットの選び方【初心者でも安心!】

寝具関係はキャンプで寝るときの基本アイテムですが、難解でキャンプ初心者がつまずきやすいポイントです。そこで今回は最低限これさえあれば寝ることができる「マット」「シュラフ」に絞ってタイプ・素材・メンテナンス性の違いなど、初心者向けのキャンプ用寝具のあれこれを「CAMP LINK」スタッフが解説!

また、スタッフ一推しの「NANGA」(ナンガ)のシュラフのスペックの見方など、知ってると便利なポイントも一緒に解説します。


↑動画でまとめたものはこちら↑

小林さん

今回の解説担当スタッフ : コバヤシさん

ホームセンターバロー初のアウトドアワールド店舗、浜松浜北店のアウトドア売り場の担当を経験後、2021年10月にオープンしたアウトドア専門店CAMP LINKのスタッフに。

この記事で登場する寝具は全部自分自身で購入したもの。他にもたくさんの寝具を持ってますが、最近のお気に入りはHelinoxのコット。

シュラフ編

◆シュラフの種類

シュラフには「封筒型」「マミー型」の2種類があります。

封筒型

封筒型シュラフ

【メリット】
寝心地重視の方におすすめ。布団で寝ているかのように寝返りが打ちやすいです。

封筒型シュラフ

【デメリット】
口が広いので、冷気が入ってきやすい。対応策として、肩にタオルケットを巻いたりすると冷気を防げます。

マミー型

マミー型シュラフ

【マミー型メリット】
マミーとは英語でミイラという意味ですが、その名の通り、棺桶の様な形をしています。最大の特徴はフードが付いていて、口が絞れる様になっています。開口部が狭いので、中の暖気が逃げにくくあったかいです。

【マミー型デメリット】
体にフィットする様にシュッとした形をしているので、封筒型に比べると寝返りがうちにくいです。

モンベル ダウンハガー

【モンベルのダウンハガー】
生地自体に伸縮性があり、寝返りがうちやすいマミー型の寝袋もございます。

封筒型 マミー型
寝心地
暖かさ

◆シュラフの中身と素材

それぞれのシュラフに使われている素材の特徴を紹介します。

シュラフの素材

上記画像のロゴスの封筒型シュラフは「化繊(化学繊維)」、ナンガのマミー型シュラフは「羽毛」が使われています。
※マミー型が全て羽毛、封筒型が全て化繊という訳ではありません。

化繊の特徴

・比較的安価
・扱いやすく、洗濯機でも洗える(ウォッシャブルタイプ)
・収納サイズが大きくかさばりやすい

羽毛の特徴

・化繊よりも空気を多く含むことができるため、とにかく暖かい
・アヒルの羽などを使っているので、少し獣臭がする場合も…
水に弱いので、濡れたままにしてはいけない

◆羽毛シュラフの収納方法

化繊タイプ普通に折りたたんだり、巻いたりして袋に収納してOKです。

それに対し羽毛タイプのは中の羽毛に偏りが出てきてしまうため、巻いて収納するのは良くありません。

羽毛シュラフの収納方法

羽毛タイプは、最初に畳まずに足元から収納袋にグイグイ押し込んでいく方法が推奨されています。たまにひねりながら入れるのがコツです。
羽毛の方が高価なので抵抗あるかもしれませんが、畳むよりもこの方法が羽毛を長持ちさせてくれます。
無理やり押し込むと中の空気で破れてしまうことがあるため、焦らず少しずつ収納袋に入れましょう。

収納後サイズ

収納したものを比べると、化繊の2倍くらい膨らんでいた羽毛の方がコンパクトに収納できました。
羽毛の方が含んでいる空気量が多いということですね。

◆素材別の保管方法

化繊タイプ

丸洗いOKのものもあります。パッケージに洗濯洗いOKの表記があるものは、洗った後に陰干しをし、乾き切ってから取り込むと良いでしょう。

羽毛タイプ

水に弱く湿気を嫌うので、湿気がたまらない様にたまに外に出して陰干しすると、持ちが良くなると言われています。

スノコと洗濯ネット

一番は下にスノコを敷いて下と上両方から空気が通る状態にしておくのが良いですが、難しい場合は洗濯ネットなどメッシュのものに入れて保管するのもいいと思います。

化繊(化学繊維) 羽毛
価格 ○(安) △(高)
暖かさ ○(暖)
収納時の大きさ ○(小)
対水 ○(強いものが多い) △(弱いものが多い)

※シュラフの中身の素材による違いです。封筒型とマミー型の比較ではありません。

使用できる気温(限界使用温度・快適使用温度)はそれぞれシュラフに明記してあるので、パッケージ等を確認して使用する場所やシーズンにあったものを選んで下さい。

◆番外編-型番で分かるNANGAシュラフのスペック-

NANGA(ナンガ)のシュラフは、名前(型番)だけでスペックが全部分かるようになっています。

こちらのシュラフが「オーロラライト 750 DX」という名前で、以下のスペックを表しています。

・オーロラライト…生地(撥水・防水に優れる生地の軽量版)
・750…羽毛の量(約750g)
・DX…羽毛のフィルパワー(空気の膨らむ力)(DXの場合770FP(フィルパワー)。DXが無い型番なら650FP)


マット編

◆マットの種類

マットには大きく「空気を入れて膨らますタイプ」「折りたたみタイプ」があります。

マットの種類

【折りたたみタイプ】
空気入れタイプに比べ、収納時が分厚い。空気が抜けたり、損傷することがなく、形を保持できる。

【空気入れタイプ】
空気を抜いた状態はとてもコンパクトで収納しやすい。穴が空いてしまったら、マットとして機能しなくなる恐れがある。

折りたたみタイプ 空気入れるタイプ
コンパクト
耐久性

※あくまで一般的な話で全ての商品が該当する内容ではありません。

◆折りたたみ式マット

登山用

※画像:Amazon

折り畳み式の中でもコンパクトに収納できるものもあり、だいたい登山用などで使われます。
サーマレスというメーカーのものは、リュックの上や下に取り付けて持ち運びされているのがよく見られます。

断熱材の役割

断熱材の役割もあります。
こちらの「銀マット」は、夏場銀の面を下に向けると地熱を跳ね返し自分に熱が伝わりにくくなるので、快適に過ごせます。
冬場銀の面を上にすると、今度は自分の熱を反射するので、その分暖かくなります。

◆空気入れる式マット

「自動で空気が入るタイプ(インフレーター式)」「自分で空気を入れるタイプ」の2種類があります。

インフレートマット

【インフレーター式】
中にスポンジのようなものが入っており、空気弁を開けた時に空気が勝手に入っていく作りになっています。

コールマン キャンパー インフレーターマット

コールマンの「ハイティーク」は10cm厚もあり、とてもしっかり膨らみますが、畳んだ時にテントくらいの大きさになってしまうこともあるので、車移動で荷物量を気にしなくていい方におすすめです。

自分で空気を入れるマット

【自分で空気を入れるタイプ】
中に何も入っておらず風船のような状態なので、折り畳み時はとてもコンパクトになります。登山用・バイクのツーリング用など荷物をとにかくコンパクトにしたい方におすすめです。

自分で空気入れるタイプ 自動で空気入るタイプ
コンパクト
クッション性

※あくまで一般的な話で全ての商品が該当する内容ではありません。

以上、キャンプでの寝具の基本「マットとシュラフ」の解説でした。

シュラフもマットも寒い時期は必ず必要になるので(夏場はシュラフはいらないかもですが...)、ぜひ選ぶ時の参考にしてみてください!


ご不明点はお気軽に店舗にて店員までおたずね下さい。

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