栽培の手引き
本記事は接木苗からスタートした場合を想定した記事になります。もし種からスタートしたい場合は本記事の一番下に種からの育苗方法を記しておきます。
1. 植え付け苗の選び方
![苗を選ぼう](https://hcvalor-navi.com/application/files/4715/8770/7233/Melow_B01.png)
本葉が3〜4枚になったら植え付け時期の苗です。それ以上になると老化した植え付け苗になるので気をつけて下さい。また、天候不良などで定植が遅れ、草勢が悪くなる場合は液肥などで回復に努めましょう。
2. 植え付け
メロンの根は浅根性で酸素要求量が大きく、排水・通気の良い土壌を好みます。土壌水分は、生育の段階で必要量が異なり、天候による土壌水分の変動を少なくするような栽培管理を行うため、露地栽培ではマルチやトンネルを使うことをおすすめします。
![定植](https://hcvalor-navi.com/application/files/thumbnails/small/6915/8770/7277/Melow_B02.jpg)
メロンは果菜類のなかでも温度管理・水分管理が難しく、品質の良い果実を収穫するのは簡単ではありません。植え付け時期の目安は最低気温14℃・最低地温16〜18℃以上になったころで、トンネル栽培では4月中旬ごろからになります。植え付け2週間前にはトンネルを張り、植え付け後に充分地温を上げておきましょう。
施肥量
元肥の量は目安として10㎡当たり成分量で、チッソ100〜120g、リン酸150〜200g、カリ120〜150gを施用します。元肥が多いと過繁茂になり、病害虫の発生も多く、果実の品質が悪くなるので注意します。
3.植え付け後の管理
スムーズな活着のために植え付けは晴天の午前中に行い、地温を確保します。
家庭菜園では本葉4〜5枚で親づるを摘心し、子づる2本仕立てが良いでしょう。詳しくは下図の通りに行います。
![定植後の管理](https://hcvalor-navi.com/application/files/thumbnails/small/1515/8770/7331/Melow_B03.jpg)
4. 仕立て方
子づる2本仕立ての4果どりが一般的です。親づるは本葉4〜5枚で摘心し、生育よい揃った子づるを2本伸ばします。
・着果節位の側枝は早めに除去
・子づるの先端は25節前後で交配の2〜3日前に摘心
その時に着果節位以降の側枝も先端の3本を遊びづるとして残し、それ以外は除去
![生育途中のメロン](https://hcvalor-navi.com/application/files/1814/8767/9678/Melow_B04-02.png)
![仕立て方01](https://hcvalor-navi.com/application/files/thumbnails/small/7615/8770/7429/Melow_B04-00.jpg)
※クリックで拡大
着果節位は11〜15節が基本で、1つるに2果着果させます。それ以降に自然着果した果実はそのつど摘果します。
A.の部分
![地這いのネットメロン](https://hcvalor-navi.com/application/files/6014/8767/9678/Melow_B04-01.png)
本葉4〜5枚で摘心し、揃った子づる2本に整枝
B.の部分
![孫づるの摘心](https://hcvalor-navi.com/application/files/9215/8770/7503/Melow_B04-03.png)
遊びつるは3本が基本で、これを残すことで生長点が確保され、根の活性を保ち、その生長点の状態で草勢を判断します。
プランターの場合
プランターで育てる場合の苗やプランター選びは前述したとおりですが、気をつけるポイントは仕立ての仕方です。どうしてもスペースが限られるため、プランターを支柱で囲うように4本立て、空中栽培するのが最も簡単です。小玉なら緑のカーテンにしても良いでしょう。いずれにしても実は空中で出来るので、重さに耐えることが出来るよう実をネットで吊るすなど工夫が必要です。
5. 交配
メロンの雌花は側枝の第一節に、雄花は主枝に着生します。ミツバチによる自然交配が良いのですが、確実に着果させるためには人工交配が必要です。開花の2〜3日前から曇雨天が続いたり、13℃以下の低温にあったりすると、花粉の発芽や花粉管の伸長が悪くなってしまうので、15℃以上の最低気温を確保します。花粉が受精を完了するのに気温20℃で24時間くらい必要なので、受粉後の保温に気をつけましょう。
![交配01](https://hcvalor-navi.com/application/files/4315/8770/7551/Melow_B05-01.png)
![交配02](https://hcvalor-navi.com/application/files/1515/8770/7593/Melow_B05-02.png)
![摘果](/application/files/cache/e7b730f886905d733d9ebf2166934765.png)
メロンの果実の肥大は受粉後10〜15日が最も盛んになります。その直前の7〜10日の果実がピンポン球大から鶏卵大に発育したタイミングで摘果作業を行います。残す実が低節位の実だと小玉で扁平な果実になり、高節位の実だと大玉にはなるものの、糖度が上がりにくい傾向にあります。
![摘果01](/application/files/cache/1d963fe540f97e23f2534ac7352e151b.png)
![摘果02](/application/files/cache/8336656decf7c96bd353769b85ecf2b3.png)
6. 温度と水やり
![水やりグラフ](https://hcvalor-navi.com/application/files/thumbnails/small/4915/8770/7649/Melow_B07-01.jpg)
メロンでは温度管理が高品質な実を作るために重要なポイントですが、温室栽培でなければ難しいため、ここは参考程度にしてください。
硬化期に入ると初期肥大期より少し低めの温度管理をして果実の硬化を促進しますが、温度低下が過ぎると皮が白くなり、実がしまりすぎた状態になりますので図のような温度管理が必要です。また、水分管理も重要です。
![しまりすぎの果実](https://hcvalor-navi.com/application/files/7115/8770/7695/Melow_B07-02.jpg)
7. 収穫
交配後15日目頃に果実がひび割れするのを防ぐため、玉直しを行います。メロンマットを敷き、均一なネットの発生を促します。
![収穫適期のメロン](https://hcvalor-navi.com/application/files/thumbnails/small/9615/8770/7764/Melow_B08-01.jpg)
収穫期は品種や作型によって異なります。収穫時期の判断のポイントは、着果枝の葉枯れや果硬部へのネット上がり、花痕部のひび割れを参考に必ず試し割りを行い糖度の上昇を確認するだけでなく、肉質も確認した上で収穫時期を見極めます。
ネットメロンの場合は5〜10日の追熟期間が必要で、この間に肉質の軟化と芳香の高まりが頂点を迎え食べ頃となります。
種から育てる場合
もし種から栽培をスタートする場合は以下の内容を参考に育苗を行ってください。種からスタートするメリットは、選べる品種の数を増やせるところが大きいです。
![育苗管理](https://hcvalor-navi.com/application/files/thumbnails/small/3315/8770/7833/Melow_B10-01.jpg)
メロンの育苗期間は1ヶ月と短く、温度を確保できる場所があれば9cm〜12cmポットに種をまいて育苗します。
![育苗](https://hcvalor-navi.com/application/files/thumbnails/small/6915/8770/7869/Melow_B10-02.jpg)
情報提供元:タキイ種苗
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