ピーマンの歴史
ナス科トウガラシ属のピーマンは、フランス語の「piment(ピマン)」が語源とされています。原産地は南アメリカの熱帯地方で、アメリカ大陸を発見したコロンブスによりヨーロッパに広がったのが始めとされています。実はまだこの時は、「ピーマン」ではなく「唐辛子」で、香辛料として使用されていましたが、のちに品種改良され、辛味のない野菜「ピーマン」として生まれ変わりました。日本に伝わってきたのは16世紀頃とされていますが、この頃持ち込まれたのはピーマンではなく唐辛子の方でした。「辛味のない唐辛子」としてピーマンが導入されたのは、明治初期になります。イギリスでは「スイートペッパー」と呼ばれていたことから、当時の日本でもピーマンのことを「甘唐辛子」呼んでいたそうです。
ピーマンの種類
「ピーマン」と「カラーピーマン」の栽培方法の違いは、収穫のタイミングです。ここが違うだけで、味や食感、含まれている栄養の量も変わってきます。
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■ ピーマン
スーパーでよく見かける、一般的なピーマンです。収穫は開花15〜20日のまだ熟していない状態がベストタイミングです。収穫が早い分、カラーピーマンに比べ、シャキシャキとした食感が楽しめます。
■ カラーピーマン
収穫は開花50〜60日と、完熟の状態を待つので、普通のピーマンよりも倍以上の日数を置かなければなりません。ですが待った分だけ、甘みも栄養素もピーマンより増えるというメリットもあります。
■ ベル型ピーマンとも呼ばれます
パプリカはカラーピーマンの中の一種とされています。色は赤、黄色だけのイメージがありますが、パプリカも未成熟のものは緑色をしているんです。ピーマンに比べて、肉厚なのが特徴です。完熟してから収穫するので、栄養価もピーマン(緑)より高いです。
■ 手に収まりきらない大きさ…!
そのサイズはなんと約15〜20cm!パプリカほどではありませんが、肉厚です。味は普通のピーマンほど苦味や青臭さはなく、生食でも食べやすいです。このサイズでピーマンの肉詰めを作ってみても、見栄え良いメイン料理になりそうですね。
■ こんな見た目ですが味はピーマンです
カラーピーマン同様、完熟するのを待ち、開花50〜60日で収穫します。厚みは普通のピーマンよりやや肉厚で、長さもあるので野菜スティックにして食べてもおいしいでしょう。草勢もおとなしめなので、栽培しやすい品種になります。
■ こどもでも食べられる!
苦味が普通のピーマンの約10分の1。その上甘みもあり肉厚で、水分も多く含んでいてジューシーなので、子供でもおいしく食べられます。こんなに食べやすいのに、ビタミンCは普通のピーマンよりも多く含んでいます。これで子供の好き嫌いも克服!
■ バナナ味ではありません
開花初期のなっている様子がバナナのようだということからこの名がついたと言われています。成長していくにつれ、緑黄色→クリーム色→黄色→オレンジ→赤と色が変化します。苦味が少なく柔らかい食感をしていますが、調理方法は普通のピーマンと変わらず炒め物、生食、煮物と色々使えます。
■ コロコロしていて愛らしいカタチ
パプリカの小さい版。料理の付け合せで彩りをよくしたり、一口サイズのオードブルを作ったりするのにピッタリです。種もほとんどないので、調理しやすいのが嬉しいポイントです。栽培方法も普通のピーマンと変わりません。
■ 糖度なんと約8度!
普通のピーマンは糖度4度あるかないかくらいですが、フルーツピーマンははるかにそれを上回ります。甘みの強いピーマンなので、生食をおすすめします。トマトのようなカタチのものもあるので、苗を選ぶときの参考にしてみても良いでしょう。
ピーマンの苦味を抑える調理法
「こどもピーマン」ほど苦味をなくさずに、ピーマンの味を楽しみたい!という方におすすめの調理法をちょこっとご紹介します。
■ 繊維に沿って縦に切る…青臭い成分や苦味が和らぎます。
■ 油通しする…苦味の成分である「クエルシトリン」は、油に溶ける性質があります。
あなたもピーマンの味を無くしきらずに楽しむことができ、子供の好き嫌い克服も一歩前進できるかも!?
病害虫について
ピーマンは収穫期間が長いため、様々な病害虫の対策が必要です。また、高温多湿を好み肥料多めの状態が望ましいのですが、度が過ぎるとこれも病害虫の原因となります。
■青枯れ病
頭頂部の葉から日中しおれる・夜間回復、を繰り返し、最終的には青いまま枯れてしまう病気。高温乾燥時におこりやすい。対策が施された接ぎ木を使うなどで対策し、もし発生したら薬剤で対処しましょう。
■うどんこ病
葉の表面に白いうどん粉のようなカビが出てくる症状。露地栽培で乾燥気味の状態、葉茎が密集状態にあるとおこりやすくなります。木酢液などで予防することが出来ますが、発生の際は薬剤か除去することになります。
うどんこ病に感染したカボチャの葉
■アブラムシ
発生すると大量に繁殖し植物が弱ると同時に病気にかかりやすくなります。どんどん増えていくので、みつけたら薬剤などで即駆除しましょう。また、予防のために肥料をやりすぎないこと、水分を十分に与え乾きすぎないことがポイントです。
■ハダニ
葉の裏側に寄生し、樹液を吸うためその部分が白くなってしまい、放っておくと株が枯れてしまいます。こちらもどんどん増えていきますが、非常に小さいので捕まえるのは難しいと思います。見つけたら薬剤などで即駆除しましょう。
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