カボチャの歴史
ウリ科「カボチャ属」で、南瓜(かぼちゃ)の漢字の通りキュウリの仲間です。
メソアメリカ(中南米)が原産で、古代アステカ、インカ、マヤ文明ではすでに栽培が行われていたそうです。と言っても、当時の品種は中身は硬くて食べられず、もっぱら種を食用部分としていたそうです。
日本に伝わってきたのは鉄砲伝来と同じくらいの時代で、ポルトガルによってもたらされました。カンボジアを経てやったきたので、それがなまって「カボチャ」と言われるようになった、というのが通説ですが定かではありません。
カボチャの種類
大きく分けて「西洋カボチャ」「日本カボチャ」「ペポカボチャ」の3タイプがあり、一般的に流通しているのは「西洋カボチャ」の黒皮栗かぼちゃです。大変種類が豊富で、形・色ともにバリエーションが多いのがカボチャの特徴です。
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1. 西洋カボチャ
昔から日本で栽培されていた品種群ではなく、明治期にアメリカより改めて伝来した種。日本カボチャより甘みが強く、ほくほく感が強くカロチン量が多いのが特徴です。こちらの方が家庭料理に向いているため一般的に出回っている物はほとんどこのタイプです。
■ 黒皮栗かぼちゃ
スーパーなどで見かけるカボチャの総称で、ここからさらに細かく品種が分かれます。「黒皮」ですが表皮は濃い緑色で縦縞入り、加熱調理で栗のような甘みが引き出されることが特徴です。
■ 赤皮栗かぼちゃ
西洋カボチャの一種で金沢の伝統野菜「加賀野菜」の一種です。あまり出回ってはいませんが、真っ赤な表皮が特徴的。肉質は黒皮ほどは甘くなく、日本カボチャとの中間くらい。煮物よりは揚げ物等に使われます。
■ 白皮栗かぼちゃ
白い表皮が特徴的なカボチャですが、中身は通常のカボチャと同じオレンジ色です。最大の特徴は日持ちがすることで、寝かせば寝かすほど甘くなります。
■ 坊ちゃんかぼちゃ
手のひらサイズの小さなカボチャです。小さくても通常のカボチャ同様、しっかりとした甘さがあり、栄養価はさらに高いと言われています。また、中身をくり抜いて器として使われることも。小さいので育てやすい品種でもあります。
■ 独特の形状のヘチマかぼちゃ
ヘチマのような形をしたカボチャ。珍しい形ですが、実は様々な品種があります。栗カボチャの特徴と同じく、ほくほく甘い食感が特徴です。「すくなかぼちゃ」のように高級ブランド南瓜として取り扱われている品種もあります。
■ 上品な甘さのニューカマー
ラグビーボールの形をした、最近開発された品種です。肉質は粉質で、滑らかな舌ざわりと甘すぎない上品さが特徴です。煮物よりも食感を生かした調理法が向いています。
2. 日本カボチャ
かつて日本でさかんに栽培されていたカボチャたち。表皮のしわが深いのが特徴です。食事の西洋化に伴って調理しやすい西洋カボチャにとって変わられてしまいましたが、その独特の食感は和食に向いており高級日本料理店で根強い人気を持っていたりします。
■ 和食に適した古来の味
小菊かぼちゃは能登の伝統野菜で小ぶりサイズ。さわやかで淡泊な風味が特徴です。小菊かぼちゃに限らず、日本カボチャは全般的に栗かぼちゃほど甘くなく、和食に合うのが特徴です。
■ ナッツな甘さとバターのとろみ
ひょうたんみたいな形が特徴的なカボチャです。南アメリカ原産ですが、分類上は日本カボチャに入るのは最大の謎です。その名の通り、ねっとりとした食感でとても甘いのが特徴です。
3. ペポカボチャ
よくハロウィンで見かけるオレンジ色のカボチャ含むカボチャの仲間です。全体的に淡泊な味の物が多く、観賞用や飾りとしても使われることが多いです。
■ 別名そうめんかぼちゃ
加熱することで果肉がそうめんのように糸用になり、麺のように食べられることで知られる金糸瓜。海外でもスパゲティ・スカッシュと呼ばれているあたり、同じ様な立ち位置なのでしょう。市場でお目にかかることは滅多にないので、育ててみても面白いかもしれません。
■ きゅうりの仲間じゃないの!?
見た目的にも味的にもどう考えてもキュウリの仲間と思いがちですが、実はズッキーニはウリ科カボチャ属、カボチャの仲間なんです。花や実の付き方など成長過程を見たらカボチャの仲間なんだな、ということがよく分かるのでキュウリと同時に育ててみてはいかがですか?
■ アトランティック・ジャイアント
その名の通り超巨大なカボチャで100kgを超えることも。(世界記録は910kg!!) 世界各地で栽培家の皆さんが威信をかけて大きさを競う、コンテスト用のかぼちゃ。ご近所で話題になりたい方は育ててみてはいかが? 教材用としても。(もちろん味はおいしくありません)
「カボチャ」は「パンプキン」ではない!?
一般的に「カボチャ」の英訳が「パンプキン(pumpkin)」と認識されていますが、厳密に言うと違うそうです。ハロウィンなどでおなじみの皮がオレンジのカボチャのことを「パンプキン(pumpkin)」と言い、その他のカボチャは「スクウォッシュ(squash)」と呼ばれるため、日本で一般的な緑のカボチャはスクウォッシュ、が正しいそうです。
キュアリング・保存方法
収穫直後の果実は、デンプン含有率が高く甘みが弱いのですが、日数の経過とともにデンプンが徐々に糖化して果実は甘くなります。
粉質感は、デンプン含有率と密接に関係しており、デンプン含有率が高いほど粉質感が強く、低いほど粘質に感じます。
貯蔵温度が高いとデンプンは早く減少します。
収穫後、果実は風通しのよい日陰けの場所で、7~10日間のキュアリングを行います。
キュアリングとは、果梗部の切り口を乾かして菌の侵入を防ぎ、果実の腐敗を防止する作業です。
この時、温度が高すぎるとでんぷん含量の低下や果面の退色が早く進むので、必要以上に温度を上げないように、また処理日数が長くならないように注意します。
保存は常温で、冷暗所に置いておくとよいでしょう。
病害虫について
カボチャは病害虫に比較的強い野菜なので育てやすいのですが、だからと言って油断は禁物です。乾燥や水分過多が原因でおこるものが多いので水分管理がポイントとなってきます。
■うどんこ病
葉の表面に白いうどん粉のようなカビが出てくる症状。露地栽培で乾燥気味の状態、葉茎が密集状態にあるとおこりやすくなります。木酢液などで予防することが出来ますが、発生の際は薬剤か除去することになります。
うどんこ病に感染した葉
■アブラムシ
発生すると大量に繁殖し植物が弱ると同時に病気にかかりやすくなります。どんどん増えていくので、みつけたら薬剤などで即駆除しましょう。また、予防のために肥料をやりすぎないこと、水分を十分に与え乾きすぎないことがポイントです。
■ウリハムシ
発生すると葉を食べ円形にくり抜かれたような穴が空いてしまいます。一度発生するとどんどん増えていくので、薬剤で対処すること、それ以前に飛来をさせない予防策が大切です。
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